「台灣土地.日本表情」 玉山社刊 前作「台湾日治時代遺跡」に次ぐ第二弾です。今回からはオールカラーになっています。前回と同様、写真を多く用いて、台湾各地に残る日本統治時代の遺構の数々を紹介してみました。台湾で刊行された書籍なので、本文は中国語に訳されていますが、写真が多いので、見るだけでも楽しめる構成になっています。
今回、この本で取り上げたテーマは約61件。その内容は建築や神社、駅舎、石碑、学校に至るまで、バリエーションに富んでいます。今回はどちらかと言えば、建築物と駅舎、そして神社の遺跡を多く取りあげてみました。
総ページ数は159。台湾での定価は350元となっています。台湾の書店では「台湾研究」というコーナーか「建築」「郷土文化」にあるはずですが、もしおわかりにならないときには、書店カウンターで書名と出版社名を伝えれば、スタッフが案内してくれるはずです。
●目次一覧と内容(原文は中国語です)
台北市篇
閉ざされた迎賓館―台湾総督官邸(現台北賓館)
本土を向いた法院建築―台湾総督府高等法院(現司法大厦)
日本統治時代の台座に立つ孫文像
フクロウのいる銀行建築―台北信用組合(現合作金庫)
時代を超えた古刹―臨済宗護国禅寺
防空壕は信仰の場へと変わったー陸軍防空壕(現龍安宮)
今も残る温泉銭湯―瀧乃湯 他
台湾北部篇
戦中に建てられた動物の慰霊碑―淡水家畜市場畜魂碑
憲兵隊に管理されていた武徳殿―大渓武徳殿(旧大渓憲兵隊)
文字を削りとられた石碑―北埔事件記念碑 他
台湾東北部篇
女学校に設けられた校内神社―基隆女子高等女学校校内神社
媽祖聖誕祭が執り行われた神社―黄金神社
墓石に埋もれる石碑―招魂碑
飛行場跡に残る退避壕
羅東森林鉄道の廃線跡を歩く 他
台湾中部篇
都市計画とともに誕生した公園―台中公園(現中山公園)
耐震構造が施された町役場―内埔庄役場(現后里郷公所)
廃駅となった構内に残る震災復興記念碑―大安駅(現泰安旧車站)
今も残る武道教練場―彰化武徳殿(現彰化忠烈祠)
子供たちを見守る小さな狛犬―和美公学校校内神社(現和美国民小学)
野良犬が住みついた老駅舎―石榴駅(現石榴車站) 他
台湾南部篇
緑豊かな公園に残る神社の鳥居―東石神社(現東石中正公園)
阿里山鉄道の歴史を刻んだ駅―竹崎駅
壁掛け電話の残る町―奮起湖
扉のない南国仕様の木造駅舎―林鳳営駅
威容を誇る純和風建築―台南武徳殿(現忠義国民小学礼堂)メルヘンから出てきた駅舎―旗山駅
文化財となった老駅舎―竹田駅 他台湾東部篇
野良犬が住みついた派出所―平林派出所
山間にたたずむ温泉宿―紅葉温泉療養所(現紅葉温泉旅社)
村の集会所となった神社―ハラワン祠
境内はアヒルの飼育場に変わったー呂家祠
草むらに眠る神社の土台―シャラバワン祠 他