第3回:変化を続ける南国の大都会
The Daily NNA【台湾版】 2007.8.3掲載
港湾地区には数々のレストランやバーがオープンしており、行き交う船舶を眺めることができる。中には軍艦や哨戒艇が混じることもあり、興味が尽きないところである。
台湾南部の大都会。高雄市は台湾最大の産業都市として知られている。港湾面積は26.6平方キロ、埠頭の総延長は18キロにおよんでおり、世界でも指折りのコンテナ積み出し量を誇る国際貿易港となっている。
言うまでもなく、この港は日本統治時代に工事が始まり、開発が進められたものである。その歴史は80年におよぶが、ここ数年は港湾地区の再開発が進んでいる。港を見おろせる観景台や屋外フードコートを擁した観光埠頭、そして、廃倉庫を用いたギャラリーホールなどが次々とオープンし、今や高雄を代表する景観スポットとなっている。
1990年代後半から、高雄市は産業都市から観光都市への脱皮を計るべく、様々な試みを続けてきた。愛河の河畔整備や歴史建築の保存とその有効利用、公共建築物のライトアップ、同一デザインによる標識の整備など、いずれも高雄市が手がけてきたプロジェクトである。
とりわけ本土化を推進する民進党による施政下、高雄は見違えるような変貌を遂げた。台湾のメディアがこういった成果を取り上げることは少ないが、高雄という街は他の都市に比べても変化が大きく、旅行ガイドブックを執筆している身としては、なかなか目が離せない存在となっている。
年内開業を予定している地下鉄のほか、計画が進められている海を跨ぐロープウェーの建設など、現在も進行中のプロジェクトは少なくない。数年後は見違えるような高雄の姿を目にできるかもしれない。