片倉佳史の台湾便り 2008.5.30発行 第4号
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片倉佳史の台湾便り 2008.5.30発行 第4号
http://katakura.net/
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+‥目次‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
1.勝美旅行社社長、李清興さんの告別式日程
2.宇井良輔氏の講演会、5月31日です
3.ミニ・ニュースあれこれ
4.コラム・台湾原住民族の神話と伝説調査から
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お世話になり、ありがとうございます。
片倉佳史です。
メールマガジンの第4号です。
先日、雪山隧道を走る宜蘭行きのバスに乗って礁渓温泉へ行ってきました。
MRT市政府駅から首都客運のバスに乗ったのですが、わずか50分で礁渓に
到着。自強号よりも30分早い上に、90元という安さ!しかも20分おきの運行
です。昨年11月の運行開始以来、早くも台鉄は大打撃を受けているそうです。
なお、5月15日に大規模なダイヤ改正を実施した台鉄ですが、案の定、様々な
トラブルが続出し、調整と称した時刻変更が行われています。ご旅行を予定
されている方、ウェブサイトのチェックをお忘れなく。
http://new.twtraffic.com.tw/twrail/index.aspx
1.勝美旅行社社長、李清興さんの告別式日程
さる5月24日、食道ガンにて急逝された勝美旅行社の李清興さん(享年61才)
の告別式が、以下の日程で行われるそうです。
2008年06月25日 09:00〜
台北市第一葬儀場(景行庁)
台北市民権東路2段145号(02-2504-0244)
http://www.mso.taipei.gov.tw
ご連絡先
勝美旅行社
台北市松江路190号2F
TEL:+886-2-2523-0313 FAX:+886-2-2567-3755
abitpe@ms11.hinet.net
私自身は実感がわかず、正直なところ、まだ信じられないでいるのですが、
一人でも多くの方と、李さんの意志を受け継いでいければ、と思います。
2.宇井良輔氏の講演会、5月31日です
「台湾バス旅の達人」こと、宇井良輔氏の講演会が31日(土曜日)に迫り
ました。ちょっぴりディープに台湾を旅したい方、ぜひ足を運んでみてくだ
さい。当日はきっと盛り上がると思います。市内バスから超豪華バス、そし
てローカルムード満点の地方バス。それらの最新情報と利用指南、そして、
バス旅で盛り上がるコツを紹介してくれるそうです。参加費は無料です。
●日時……2008年5月31日(土) 15〜17時
●場所……台湾資料センター(東京都港区三田5−18−12)
●申込先・台湾資料センター(03-3444-8724・月休み)
会場など、詳しくは宇井さんのブログをご覧ください。
http://asiabuscenter.seesaa.net/article/96817770.html
ご参考までに宇井さんのメインサイト「アジアバスセンター」
http://asiabuscenter.fc2web.com/taiwan/buslink.html
3.ミニ・ニュースあれこれ
●金瓜石の黄金博物館ですが、6月2日から23日まで休館となります。ご注意
ください。
●故宮博物院の脇にオープンしたグルメコート「故宮晶華」が5月25日、ソフ
トオープン。ガラス張りの印象的な建物です。私自身はまだ訪れていない
のですが、2年前、林曼麗前院長がとても熱っぽく語っていたのを思い出
します。期待が高まりますね。
●1999年の大震災以降、放置されていた阿里山鉄道の眠月線ですが、このた
び、修復工事が終わったそうです。まだ運行再開というわけではありませ
んが、今後に期待です。
●台湾の鉄道模型会社「鐵支路」がついにイギリス製自強号EMU100の
Nゲージを発売。ただし、基本セットが8700元と高い!しかも、現在早く
も品切れだそうです。鐵支路http://www.touch-rail.com.tw/
4・コラム・台湾原住民族の神話と伝説調査から
先月号の『な〜るほどザ台湾』のコラムでツオウ族の伝説をご紹介したとこ
ろ、多くの方からご感想をお寄せいただきました。そこで、今回はパイワン
族に伝わるストーリーを一本、ご紹介したいと思います。
私はこういった取材を10年ほど続けてきましたが、正直なところ、年々調
査は難しくなっています。お話を記憶している古老に出会えても、不明箇所
が多かったり、不整合な部分があったり、そして何より、固有語を日本語に
訳せないという状況が多く、とても多くの時間を要します。
このお話は、台東県の南部のパイワン族に伝わるストーリー。現在はタヴァ
リ(漢字では太麻里)に住んでいる長老から教えていただきました。第一回
目の取材は2000年7月に行っています。
「死」はどのように始まったかー東部パイワン族の場合
その昔、山中に「ムリ」という名の村があったそうです(現在のどこにあた
るかは不明とのこと)。ここにある老婆がいました。当時の人間はとても長
生きをしていたと言います。この老婆も本人によれば120歳。すでに10
0年間を生きているのは確かなのだそうですが、本当は何歳なのか、誰にも
わからなかったそうです。
この老婆は立って行動することがほとんどなかったといいます。終日部屋
の片隅で座っているばかり。しかも、少しも動かないのです。食事はおろか、
トイレにすら行かないから不思議です。でも、面倒なお願いをしてくるわけ
でもないので、家の片隅に置いて、放っておかれたそうです。
この時代、長生きはごく普通のことで、死ぬのは戦の時だけだったと言いま
す。つまり、老衰死というものが存在していませんでした。ですので、人は
年をとって動けなくなると、この老婆のように家の片隅に置かれていたのだ
そうです。
しかし、ある日のこと、老婆は突然、ユラユラと部屋から出てきました。
そして、人々を集めると、か細い声でこう言いました。
「これから地中にあるスルムという国に行ってくる。もし、5日して私が戻っ
てこなかったらスルムは良いところということ。もう2度と戻ることはない
だろう」
そう言い残すと、老婆は庭にあった穴へ入り、地中に向かったそうです。
それから5日が経ちましたが、老婆が戻ってくることはありませんでした。
日頃は老婆に無関心だった人々ですが、これを機に「スルムはきっと良いと
ころなのだ」と言い出しました。男も女も、老いも若きも、そこへ行こうと
する者が続出しました。しかし、その数があまりに多いので、村の生活に支
障をきたします。平和だった村は始まって以来の大混乱に陥りました。
長老たちは会議を開き、一つの案を決定しました。それは平等に、年をとっ
ている人間から順にスルムへ行こうということでした。これなら平等なので、
人々も納得しました。そして、年寄りは年齢順に、みずから進んでスルムを
訪ねていったのだそうです。
地中にあったというスルムの国。ここが「死」の国であることは言うまでも
ありません。
(終わり)
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