台湾人の中にもソ連によるシベリア抑留を経験した方がいました。
日本でも台湾でも、ほとんど知られることはなく、高齢化もあって年々少なくなっています。
現在、ご健在なのは3名のみと言われています。
今回、宜蘭にある古老を訪ねました。
横浜在住の呉正男さんからご紹介いただいた陳以文さんです。
ちなみに呉さんもまた、シベリア抑留経験者です。
今回は初めての訪問ということで、ご挨拶が多くなってしまいましたが、
今後も取材は続け、証言を集めたいと思っています。
ある程度のものになったら、記事にしたいと考えています。
ある程度は知ってはいたものの、想像を絶する世界です。
ちなみに呉さんについては3年間で20キロも痩せたそうです。
つい、抑留時代の話ばかりを尋ねてしまいましたが、
陳さんから問われた一言。
「抑留は確かに厳しい毎日だったが、今回、津波の被害を受けた東北の人々は
もっとたいへんな暮らしをしているんだろう、大丈夫なのか?」
陳さんはそう言って、すこしつらそうな顔をしました。
なお、通常の感覚では信じられない話なのですが、
日本政府は国籍条項をたてに、台湾人や朝鮮人の抑留経験者への補償を拒否しています。
陳さんは今年86歳になります。
陳さんと弟さん。陳兄弟は宜蘭出身ですが、兄弟4人が獨協中学を出ています。