台湾高鉄についての記事が本日1月6日の産経新聞二面に出ています。
詳しくは記事をお読みいただきたいのですが、大まかには台湾高鉄が中国の高速鉄道の信号関係を担う企業と提携関係を結び、
秘密裏に視察団を受け入れていたという内容です。
非常に重い事態だと思います。
視察内容や日程、会食場所、メンバーなどはほぼわかっており、提携についての記事は中国側のウェブサイトにアップされていました。
当然ながら、台湾高鉄側は否定し、今は情報をリークした人物捜しに奔走しているそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120106-00000082-san-int
今回の件、産経新聞さんのスクープで、台湾メディアでもほとんど報じられていないネタです(全くないわけではない)。
一部の人々はシステムを中国人に見せたところでマネはできないとか、そもそも中国の高速鉄道には日本式・台湾式はそぐわないとか、
いろいろな意見が出てくると思いますが、これは交通政策や鉄道ファン(識者?)特有の視野の狭さを露呈しており、
実は台湾(国民党政権)と中国の接近がもたらせる負の一面(たとえば、軍事情報が台湾経由で伝わるとか)を象徴的に示しているという部分があります。
どこまで見せたのか、そして、何を伝えたのかというのがはっきりせず、
また、どんなデータを渡したのかとか、すべて「企業秘密」と言い張るのは明らかなので、扱いは難しいと思います。
ただし、実際に動いている人々はすでに動いています(産経の記事でも触れていますね)。
とりあえず、明日あたりに経営陣がコメントを出すと思います。
そして、次の株主総会が大きなポイントになるでしょう。総統選挙の結果も絡んできますが、どのような釈明をするのか、気になるところです。
実は中国にしっぽを振っている部署や集団の存在は台湾高鉄内部では公然の事実だそうです。
ただ、この問題を台湾高鉄、国民党がどのように処理するかは不明です。
選挙直前ということで、国民党系のメディアは押さえ込みにかかるでしょう。
今後の展開を見守りたいですね。