馬英九総統の会見、メモ02
3月29日、馬英九総統の記者会見を取材してきました。
会見の様子は中継もされており、報道記事も出ていますので、内容についてはそちらをお探しください。
ここでは会見現場の「空気」をお伝えしたいと思います。
twitterやFACEBOOKで書いていますので、そちらもご覧ください。
★会見印象04
会見の場は総統府3階の講堂。正面から見ると中央塔の裏手になる。
ここは日本統治時代の中央講堂で、式典などをおこなっていた場所。
ちなみに1919年竣工のこの建物は当時から建物の四隅に喫煙室を設け、それ以外は禁煙が徹底されていた。
また、赤煉瓦造りではあるが、耐震構造を意識して、鉄道のレールを軸にしている。
考えてみると、内側から夜景を撮るというチャンスはとても少なく、貴重なカットになったかも・・・
★会見印象05
馬英九総統のスピーチは数字や事例を挙げて協定内容を説明し、台湾のメリットを強調、そして、国際的信用を勝ち取る云々・・と続いた。
某テレビ局のスタッフは「今日の会見の退屈さはなんだ!」とお怒りの様子。
確かに上の内容は政府がこれまで何度も言ってきたお決まり文句そのまま。
新しいネタはなく、「こんな聞き飽きた話はもうたくさん!」と思った記者は少なくないと思う。
★会見印象06
質疑応答の中、「あなたの支持率は9%しかない。協定を支持する人も少数派なのでは?」というちょっぴり挑発的な質問。
それに対しての馬英九総統の言葉。
「台湾に有利なら民意が低くてもやる!台湾に不利なら民意が高くてもやらない」。
この時、メモを取っていた何人かの記者の手が止まり、顔を見上げた。
記者たちはこの発言をどう受け止めたのだろうか。
私はたまたま最後部でカメラを構えていたので、この一瞬をとらえたのだが、この日、最も印象に残ったシーンだった。
★会見印象07
台湾の記者友だち(女性)との雑談。
すでに出回っている各社の報道について。
台湾では、現場の記者とデスクで思想的な違いや上からの指図によって記事内容が大きく書きかえられるのはもはや常識。
「台湾メディアの腐り具合は服貿協定よりずっと前から深刻よ」と自嘲する彼女。
最後のひと言は「日本も似たようなものでしょ?」
返す言葉が見あたらず・・・
台湾のネット界を見回してみると、29日の総統会見はつまらなかった、意味がなかったという否定的な意見が多いですね。
本日30日は大集会が予定されています。現政権は学生達とどのように向かい合っていくのでしょうか。
状況を見守りたいと思います。個人的には警察隊が出動すると言われている午前0時が注目されます。