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 ブログ 片倉佳史の台湾体験

2016年8月30日(火曜日)

訃報・楊南郡先生

カテゴリー: - katakura @ 06時42分09秒

楊南郡さんの訃報をきく。
台湾研究の大先輩との別れは本当につらいものがあります。
うかがいたいことはまだまだたくさんあったのに・・。

もう一度、その著作を読み直してみたいと思います。
合掌。


2016年8月29日(月曜日)

電子書籍版『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年』

片倉佳史,古写真,台湾,日本統治時代,祥伝社

【拙著・拙稿】 

電子書籍版 『古写真が語る台湾 日本統治時代の50年』が刊行されました。
祥伝社から出た『古写真が語る台湾日本統治時代の50年』はおかげさまで先月3刷りになりましたが、
このたび、電子書籍版も刊行になりました。

本書は日本統治時代の古写真や絵はがきを1200枚用い、
往年の台湾を紹介した一冊ですが、サイズに限界があるので、電子書籍版は出ないのかというお問い合わせをたくさんいただいていました。

これを機に、より多くの方々に手にとってもらえたら・・・と思っています。
値段は少し安めに、1620円(税込み)に設定してもらいました。

https://www.paburi.com/paburi/bin/product.asp?pfid=20006-121105163-001-001

詳しくはこちらをご覧ください(購入もできます)

それではどうぞよろしくお願いいたします!

電子書籍,片倉佳史,台湾,祥伝社,日本統治時代


2016年8月28日(日曜日)

【講演のお知らせ】 2016年10月30日錦糸町・「台湾美食案内〜現地在住作家が語る台湾の食文化」

片倉佳史,講演,読売,台湾,グルメ,美食,澎湖

【講演のお知らせ】

10月30日(日曜日)、東京都の錦糸町で講演をします。
今回のテーマは「台湾美食案内〜現地在住作家が語る台湾の食文化」。
台湾は世界に名だたるグルメ天国ですが、その奥深い魅力と楽しみ方についてお話ししたいと思います。

片倉佳史,台湾美食,講演,よみうり,客家

お店の紹介はいろいろと出回っていると思うので、
そちらはややおさえ、料理の文化史や取材秘話、もろもろのエピソードをご紹介したいと思います。
また、バリエーション豊富なデザートやフルーツについてもご紹介したいと思っています。

http://www.ync.ne.jp/kinshicho/kouza/201610-18010100.htm
お申し込み・お問い合わせは読売カルチャーセンターまで

杏仁豆腐,欣葉,片倉佳史

日時 10月30日(日曜日) 13時から14時半
テーマ 「台湾美食案内〜現地在住作家が語る台湾の食文化」
講師 片倉佳史(台湾在住作家)
場所 よみうりカルチャー錦糸町(墨田区江東橋3-14-5 テルミナ6階)←駅前です
受講料 2160円
主催よみうりカルチャーセンター

お問い合わせはよみうりカルチャー錦糸町 (03-5625-2131)にお願いいたします。

片倉佳史,台南


2016年8月27日(土曜日)

李登輝元総統と故張栄発総裁(Twitter記事より)

【台湾秘話1】 
故張栄発氏と李登輝氏。2011年と2012年に李登輝元総統を取材させていただいた際にうかがったお話。
東日本大震災の当日、その惨状を知った李登輝氏は救援隊を派遣しようと交流協会(大使館)に電話を入れたそうです。→続く
 
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress4/index.php?p=34

【台湾秘話2】 
しかし、待たされた上、外務省からの返事は「台湾の救援隊を受け入れる準備ができていない」というものでした。
災害時の人命救出のリミットは72時間と言われています。
李登輝元総統はこの時、とにかく早く救援隊を日本へ送りたいと考えたそうです。

【台湾秘話3】 
李登輝元総統はとりあえず救援隊を現地に行かせ、
あとは現場で日本の指示を仰ぐようにと救援隊の隊長に伝えたそうです。
この時、中華航空は日本政府が受け入れをまだ決めていないことを指摘し、難色を示したそうです→続く

【台湾秘話4】 
そこで李登輝元総統はエバー航空の張栄発総裁に電話を入れたそうです。
すると、張総裁は即決で受け入れてくれたとのこと。しかも、費用は一切いらないと語ったそうです。→続く

【台湾秘話5】 
最終的に隊員と救援機材は故張栄発総裁の指示下、エバー航空が無償で運びました。
この時、張総裁はポケットマネーで10億円を用意し、義捐金として日本に送ります(ウェッジの記事をご覧ください)→続く 

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7592

【台湾秘話6】 
張栄発総裁はこの時、居合わせた読売新聞の源一秀台北支局長(当時)に
「義捐金については足りなければまだ出せるから教えてほしい」と言ったそうです。
ただ、側近と友人以外にはこの義捐金について語ることがなかったため、あまり知られていません→続く 

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7592

【台湾秘話7】 
ところで、台湾の救援隊が日本に到着した時、
すでに中国や韓国からの救援隊が到着していたそうです。
李登輝元総統は「日本に何かあった時は、何が何でも台湾の救援隊が真っ先に駆けつけたかった・・」と悔しそうにおっしゃっていました。
李登輝事務所の友人によると、このことは今も時々お話しされるそうで、
それを果たせなかったのは李登輝元総統にとって「一生の痛恨事」なのだそうです(終)

http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress4/index.php?p=34


2016年8月26日(金曜日)

秋田県大館市の福原淳嗣市長にお会いしました

秋田県大館市の福原淳嗣市長ご一行とお会いしました。
台湾との交流を深め、より多くの方に秋田にお越しいただきたいという強い気持ちをお持ちでした。
これからいろいろとアイデアを練っていきたいとのこと。
台湾の皆さんに秋田の魅力が伝わることを祈っています。

大館と言えば、日本統治時代の台湾において屈指の実業家として知られる木村泰治の出身地。
基隆や高雄、そして台北の大正町(林森北路界隈)の開発で知られる人物です。
その貴重な自伝もいただきました。じっくりと研究したいと思っています。

もちろん、大館と言えば、秋田犬の故郷。
犬たちにも会いたいです。

秋田県,大館,福原淳嗣,小出正之,ハチ公,台湾,台北,木村泰治


2016年8月25日(木曜日)

【拙著/拙稿】 ウェッジ・張栄発氏の追悼記事(ウェブ公開されました)

【拙著・拙稿から】

雑誌『ウェッジ』に記事を寄せた張栄発さんの追悼記事。
このたび、ウェブ公開されました。無料で全文を見ることができます。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7592
こちらからご覧になれます

エバーグリーン(長栄)グループの総裁として君臨した故張栄発氏ですが、
その精神性の根源にあるものは何だったのか、そこに迫ってみました。

また、東日本大震災の際、
10億円という巨額の義捐金を日本に送ってくれた人物としても知られていますが、
その際の様子にも触れています。

雑誌のほうは東海道新幹線のグリーン車の各席に用意されていますが、
一般書店でもお求めいただけます。定価500円です。

http://wedge.ismedia.jp/category/wedge
ウェッジの公式サイト

より多くの方にご覧いただければ幸いです。

ウェッジ,張栄発,片倉佳史,長栄,義捐金,エバー航空,台湾


カンタバン事件について長老に聞く

ブヌン族の長老を訪問しました。
南投県の山岳部、埔里から自動車で二時間以上かかってたどり着きました。

ここ仁愛郷の萬豊村はブヌン族が暮らす集落で、
現地では「ココアド」を名乗っています。
日本統治時代はカンタバン社と呼ばれていました。

今回は今年91才になる長老を訪ね、
カンタバン事件についてお話をうかがいました。
この事件はブヌン族がセデック族を誘い出し、宴を用意して、
酔いが回ったところで惨殺したという事件です。

霧社事件を研究する上で欠かせない事件なのですが、
あまり広く知られていません。

集落は夏とは思えない涼しさでした。

カンタバン事件,ブヌン族,原住民,萬豊


2016年8月24日(水曜日)

ワタナベアゲハ(渡邊鳳蝶)に出会う

珍蝶ワタナベアゲハに出会いました。
台湾固有種の珍蝶に出会うことができて、大興奮です!

ワタナベアゲハは北埔事件の犠牲者・渡辺亀作が勤務中に発見したと言われているもの。
今度はメスに会ってみたいなと思いました。

Okuさん、ご教示ありがとうございます!

ワタナベアゲハ,埔里,渡邊鳳蝶,台湾,蝶,Papilio thaiwanus Rothschild


2016年8月23日(火曜日)

タイワンイチモンジ

カテゴリー: - katakura @ 00時25分42秒

タイワンイチモンジ。
その名の通り、羽の上には一文字の白模様が入っています。
両端部分にオレンジ色の斑点が見られます。

結構じっとしているので、撮影は容易でした。

2016年8月21日、埔里の彩蝶瀑布にて

タイワンイチモンジ,ヤエヤマイチモンジ,埔里,彩蝶瀑布,蝶,固有種


2016年8月22日(月曜日)

講演のご報告・2016年7月2日・名古屋「台湾グルメ 〜食文化から見る台湾の魅力」

片倉佳史,講演,名古屋,台湾,美食,グルメ,中日文化センター

日付が遡ってしまい、すみません・・・・

講演のご報告です。

2016年7月2日に行なった名古屋の中日文化センターでの講演。
今回は「台湾美食案内」と称して、台湾の食事情やグルメについてお話ししました。
リクエストがありましたので、以下に少しだけ話題にしたネタを記します。

★まずは考えたい「中華料理」の常識非常識

中国の料理に「4000年の歴史」はあるか
宋は「羊高豚低」の時代。それを嘆いた蘇軾(蘇東坡)が東坡肉を考案した。
北京ダックの歴史はいつから?
中国や香港、東南アジアに「中華料理」という言葉は存在するか?
接待では使われない四川料理
台湾で上海料理に人気が集まる理由
鼎泰豊の小籠包はどこの料理か?

★興味の台湾美食秘話

どの町に行っても名物がある 
台南人(府城人)のグルメ魂
日本料理レストランに変化の兆し 
「日式料理」を考える
レストランで最も儲かる料理は何? 

今回は満席にはなりませんでしたが、
その分、ゆったりとしていた感じがします。
名古屋の皆さん、また、お会いできることを楽しみにしております!

片倉佳史,講演,名古屋,台湾,美食,グルメ,中日文化センター


2016年8月21日(日曜日)

【講演のご報告】2016年7月6日・姫路講演(播磨国際協議会)

【講演のご報告・播磨国際協議会主催講演】

2016年7月6日(水曜日)、姫路の播磨国際協議会にお招きいただき、講演をして参りました。
今回のテーマは「台湾を知る、台湾を学ぶ〜親しき隣国の素顔と現地事情」。
台湾の基礎事情や現地事情、そして、最近のトピックスについてお話ししました。

平日の午後という時間ではありましたが、多くの方にお越しいただき、嬉しく思いました。
席が足りなくなってしまったようで、一部の方には申し訳なく思っております。

ご来場いただいた皆さん、そしてスタッフの皆さん、ありがとうございました。
また、お会いできる事を楽しみにしております。

姫路,片倉佳史,台湾,播磨国際協議会,台北


2016年8月20日(土曜日)

【ご報告】 台湾日本学生会議主催台南講演

片倉佳史,片倉,台湾,台南,講演,成功大学

【ご報告】 

8月20日(土)の台南講演。
おかげさまで無事に終わりました。

今回は「取材者の目で見た台南〜考えてみたい台湾と日本の歴史」というテーマでしたが、
学生さんが多かったので、歴史に限らず、いろいろと幅を持たせてみました。

おかげさまで、100名を超える方々にお越しいただき、嬉しく思いました。
少し息苦しいような感じもしましたが、無事に終わってよかったです。

TwitterやFBのほうにもたくさんメッセージをいただいています。
ありがとうございました!

台南,片倉佳史,講演,成功大学


2016年8月17日(水曜日)

霧台(ブダイ)集落を訪問

ルカイ,霧台,カタカナ,茂林,表札,頭目

屏東県の山岳部。ルカイ族が暮らすヴダイ(霧台)集落を訪ねました。
ここは2007年に訪れて以来、10年ぶりの訪問になってしまいました・・・。

前回、訪れた時には交通部茂林国家風景区の力を借りて、各地を取材したのですが、
その後、行楽客も増え、かなり様相が変わってしまったのではないかと若干の不安感を抱いての再訪でした。

ルカイ,霧台,カタカナ,茂林,表札,頭目
スレート(石板)を用いた伝統家屋も見られます

結果から言えば、それほど大きな変化はなく、
公共交通機関でのアクセスが可能になったことや、
入山許可証の取得が自動車の申請・登録のみになったりと、
かなり便利になりました。

霧台,屏東客運
本数は少ないですが、屏東客運のバスで行けます

ところで、この集落の頭目さん宅にある表札にはカタカナが刻まれています。
これは2007年に刊行した『片倉佳史の台湾新幹線で行く台南・高雄の旅』(まどか出版)の取材時に、
最も驚かされたものでした(笑)

http://www.amazon.co.jp/dp/4944235348
増刷がかからず、もう内容が古くなっていますが、愛着の強い一冊でした・・・

ルカイ,霧台,カタカナ,茂林,表札,頭目

その後、何カ所かでカタカナ表記の表札を見ることがありましたが、
特にルカイ族とパイワン族に多いような気がします。

ルカイ族の人々の文化については見知らぬことばかりです。
探究と取材を続けていきたいと思います。

ルカイ,霧台,カタカナ,茂林,表札,頭目


2016年8月15日(月曜日)

メールマガジン 107号

片倉佳史の台湾便り  2016.8.15発行 第107号 発行部数2006部

★配信の登録・変更・解除はこちらから → http://katakura.net/
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片倉佳史の台湾便り  2016.8.15発行 第107号 発行部数2006部
                        http://katakura.net/
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+‥目次‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
1.8月20日、国立成功大学で講演をします
2.『歴史通』の巻頭特集と対談記事
3.別冊『正論』に記事を寄せています

◆取材メモから◆
★過去の原稿から★
●魅惑の台湾語歌謡●
■拙著・拙稿から■
○あれこれ○

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 酷暑が続く台湾からのメールマガジンです。8月は原住民族の祭典が続く関係で、国内での講演はすべてお断りさせていただき、台湾で取材と執筆に専念しています。暑い日が続いていますが、まる一ヶ月以上、台湾にいられるのは久しぶりです。
 おかげさまで、現在、東海道新幹線のグリーン車で見られる雑誌『ウェッジ』の記事(売店や書店でも購入可能です)は好評のようで、何人もの方からメッセージをいただきました。エバーグリーン(長栄)グループの故張栄発総裁についての追悼記事ですが、台湾について学んでいく上でぜひとも考えたい台湾人生来の気質というものを感じさせてくれた人物でした。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2197
 8月5日に台北市日本工商会の例会にて講演をさせていただきました。台湾で活躍する日本人駐在員が約150名。今回は「新政権を迎えた台湾と日本統治時代の歴史建築」というテーマでお話をしました。歴史建築の保存事例やリノベーション・レストラン、台湾人の歴史観などに触れてみました。工商会例会でお話をするのは2006年以来、なんと10年ぶりでした。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2196
 

1.8月20日、国立成功大学で講演をします

台湾日本学生会議さんのお招きで、8月20日(土)13時30分から講演をします。テーマは「取材者の目で見た台南〜考えてみたい台湾と日本の歴史」。すでに100名近い申込者がいるそうなので、お早めにお越しください。場所は国立成功大学成杏キャンパスの醫工系館5734教室です。入場は無料です。お問い合わせは以下、担当の呉さんまでお願いします。
tjscncku.2016@gmail.com

2.『歴史通』の巻頭特集と対談記事

現在発売中の雑誌『歴史通』。巻頭カラー特集で、古写真を用いて日本統治時代の台湾の姿をご紹介しています。18ページの大特集なのでインパクトが大きいと思います。この特集に続き、台湾本をこれまでに何冊も翻訳してきた天野健太郎さんと私の対談記事があります。そして、池田維元交流協会代表と作家の乃南アサさんの対談もあります。永久保存版だと思うので、ぜひお手にとってみてください。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2190
http://web-wac.co.jp/magazine/rekishi/
公式ウェブサイトはこちら

3.別冊『正論』に記事を寄せています

現在発売中の別冊『正論』に記事を寄せています。今回は「台湾教育に命掛けた芝山巌の六士」と題して記事を書きました。日本統治時代の教育や台湾に今も息づく遺構などを13ページにわたって書いています。台北第一高等女学校の校訓碑、三義の奉安殿、台南の旧寶公学校(現・立人国小)、金瓜石に残る台湾製二宮尊徳像なども紹介しています。定価1000円。全国の書店でお求めください。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress4/index.php?p=196
http://www.fujisan.co.jp/product/1281683701/new/

◆取材メモから◆

■高砂義勇隊帰還者を訪問
台湾研究家の品川真紀さんにご紹介いただき、高砂義勇隊の従軍経験者を訪問しました。オラウさんは今年96歳。しかしながら、力強い言葉の数々に圧倒されました。戦地での体験、そして、日本統治下の台東、そして、再会することなく別れてしまった弟さんの話。色々と考えさせられました。
■台湾籍ソ連抑留経験者を取材
台湾籍ソ連抑留経験者。先々月に続き、千葉在住の陳旺さんを訪問しました。陳さんは二年半、ソ連に抑留されたあと、帰国を果たしましたが、居残りの抑留者の住所をメモして靴の底に隠し、引き揚げ後は全国各地、仲間の生家を訪ね、生きていることを家族に伝えて回ったそうです。
■パイワン族の移住史
以前からお世話になっているパイワン族の方を台東に訪ねました。今回は日本統治時代と戦後の移住政策についてお話をうかがいましたが、こういった集落の遷移史は台湾史研究の盲点になっています。ちなみにこの方、村ではみんなから「よしこ」さんと呼ばれています。
■台北三中の思い出と学徒動員
台北第三中学卒業の徳永基さんを訪問しました。中学時代、勤労奉仕で飛行場造りに駆り出されたそうですが、その場所は松山空港の南側に設けられた第二滑走路でした。現在も民生東路や健康路のあたりに飛行場跡が区画になって残っています。戦後は空軍関係の外省人集落になっていました。

★過去の原稿から★ 

ブヌン族の八部合唱を聴く
今回は台湾原住民族の音楽の中からブヌン族の八部合唱を紹介してみたい。ブヌン族は台湾中部の山岳地帯に暮らす台湾原住民族の一部族である。人口は5万人あまり。南投県や高雄市、花蓮県、台東県など、広範囲にわたって暮らしている。
ブヌン族は個性的な文化を持っているが、中でも八部合唱は世界的な知名度を誇る。彼らの言葉では「パシブブ」と呼ばれ、複雑な合唱方式であるばかりでなく、タブーによる制限も多く、神秘に包まれた存在となっている。
パシブブは日本統治時代から知られていた。最初に本格的な調査を行なったのは黒沢隆朝(たかとも)という音楽家だった。黒沢はドイツ民謡『山の音楽家』の訳詞者として知られている。1943(昭和18)年に「台湾高砂族の音楽調査」と称し、各地を巡った。そして、翌年、フランスの国際民族音楽会議で調査報告を行ない、ブヌン族の混声合唱も脚光を浴びることとなった。
ブヌン族にはこの合唱が受け継がれている。中でも、アワの収穫を祈願するためのパシププが知られるが、これは1月の種まきの時期から3月までの期間だけに唄われる。その前後は唄うことが許されず、練習ですら禁止されているという。選ばれた6〜8名が円陣を組み、両手を自らの両隣にいるメンバーの腰に当て、ゆっくりと反時計周りで動きながら、合唱を行なう。歌い手は大きく4つのパートに分かれているという。
実際の合唱を目の当たりにすることは難しいが、最近は伝統音楽のCDなども出ている。ブヌン族の奥深い文化に触れてみてはいかがだろうか。
                    (NNA隔週連載「片倉佳史の台湾雑感 2011年11月1日)

●魅惑の台湾語歌謡●

黄乙怜の唄う『傷心的車站』。ちあきなおみさんの名曲『喝采』の台湾語バージョンです。歌はもちろん、この動画では懐かしさ満点の集集線の風景が楽しめます。鉄道ファン的にはこちらにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=eq4NeoOnMN4

■拙著・拙稿から■

★増刷報告。『台湾風景印〜駅スタンプと風景印の旅』(台湾・玉山社)の増刷が決まりました。おかげさまで三回目の増刷になります。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/tinyd1/index.php?id=6
★増刷報告。『古写真が語る台湾日本統治時代の50年』(祥伝社)の増刷が刷り上がりました。電子書籍版ともどもよろしくお願いいたします。
★九州の魅力を台湾の皆さんに紹介するフリーペーパー『美好九州』。最新号ができました。今回は「九州加油!」熊本特集です。
★『な〜るほどザ台湾』の7月号では「甘い香りに包まれたパイナップルの郷―台南市・關廟」を書かせていただきました。
★経済誌NNAの隔週連載「片倉佳史の台湾雑感」。7月は「台湾南部で流動夜市を楽しむ」、「歴史景観保存区・剥皮寮を歩く」を書きました。

○あれこれ○

★ 台東で食べたかき氷はトッピングのチョイスが6種類。トッピングだけで満腹になってしまう怖いかき氷 ☆ 家の前の公園にザボンが実っていた。さすがは南国と妙に感心 ☆ 某鉄道会社の社長との会食。人口減少の速さが想像以上のもので驚く ☆ 研修で台湾訪問中の宇都宮大学の学生さんを前に講演。思わず2時間半も話してしまった ☆ 花蓮周辺の人々は自らをアミスとは呼ばずパンツァーと名乗る。執筆時にもこだわりたいところだが、編集者から決まって「アミ族では?」と聞かれる(苦笑) ☆ 台南の友人からいただいた「ミニ焼き芋」。冷やして食べるとより甘いという不思議な焼き芋 ☆ 行政院で記者証の更新手続き。なぜかいつも緊張する ☆ 台湾生活情報誌『悠遊台湾』のスポンサーとの食事会。よりユースフルな一冊を目指し、家内が一人、苦悶している ☆ サキラヤ(サキザヤ)族の頭目さんに話をうかがう。時代に翻弄されつつも自らの文化を堅持してきた人々 ☆ 台湾料理の名店「欣葉」で杏仁豆腐を賞味。アーモンドではなく、杏仁(きょうにん)の実から作ったホンモノの杏仁豆腐はもちもちっとした食感。市販のものとは全く違う ☆ 某ロータリークラブから卓話のオファーをいただく。ロータリーの卓話は半年ぶり ☆ 台湾ファミマ限定の「ライチ烏龍茶」はなかなかの味。お茶らしい渋みが甘さの中に漂っている感じ ☆ 新しく販売になったチェブラーシカの背当てクッション。表情がいい ☆ いくともさんと打ち合わせ後、秋田料理をご馳走になる。食後のばばへらアイスも美味しくいただく ☆ 台南市花園小学校昭和20年卒業生の文集をいただく。貴重な証言の数々 ☆ 今年の新日本プロレス台湾大会は10月15日(土)の19時から。国立台湾大学体育館で盛り上がりましょう! ★

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台湾で守られる日本人納骨堂・屏東県廣修禅寺

廣修寺,広修寺,高樹,日本人物故者,納骨堂

【台湾で守られる日本人納骨堂】

昨日、台湾南部、屏東県の高樹を訪ねました。
廣修禅寺(廣修寺)の名はほとんど知られていませんが、
ここには日本人物故者の遺骨が安置されています。

終戦後の混乱期、屏東市内に遺棄されていた遺骨が無数にあったと言います。
中には引き揚げ時に遺族が日本へ持ち帰ったものもありますが、
激しい混乱期、放置されたものも少なくなかったと言います。
それをある台湾の尼僧(故人)が拾い集め、供養してくれたものです。

周知のように、中華民国国民党政府は台湾総督府の公有財産はもちろん、
民間所有の物件も例外なく接収し、自らのものとしました。

屏東市にあった護国院(東本願寺)も接収され、
日本に関係したものはすべて破棄されたと言われています。

しかし、台湾の人々は故国へ帰れなかった遺骨を哀れに思っていました。
そんな思いを抱きながら、尼僧は一つ一つ拾っていったそうです。

廣修寺,広修禅寺,高樹,日本人物故者,納骨堂

現在、廣修禅寺の敷地内に納骨堂が建てられています。
建立は1975年。外観はちょっぴり金閣寺に似ています。

ここに安置されているのは一般人、軍人、無縁仏までさまざまですが、
毎年旧暦7月に盛大な供養が行なわれます。

かつては遺族や関係者が訪れることがあったと言いますが、
高齢化が進んでいるためか、最近はそういう方も年々少なくなっているそうです。

廣修寺,広修禅寺,高樹,日本人物故者,納骨堂

台湾で守られる日本人物故者の遺骨たち。
通常、納骨堂は閉まっているのですが、
訪問客があれば、開けますので声をかけてくださいとのことでした。

正直なところ、かなり交通の不便な場所ではあるのですが、
多くの方に知ってほしい空間です。

8月15日、終戦の日。
ここにもまた、時空を超えた「日台を繋ぐ空間」があります。

廣修禅寺
屏東県高樹郷東興村武尚路1-25号
※公共交通機関でのアクセスは難しいです・・・

取材協力・楊岱宗さん

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ルカイ族の高砂義勇隊兵士

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ルカイ族のカナムディサン(舊佳暮)集落を訪ねました。
屏東県三地門から山道をひたすら進んだ先にある仙境のような土地でした。

ここから一人の高砂義勇隊兵士が戦地に向かいました。
その中山さんは数年前に他界されましたが、
奥様のサチコおばさんにお話を聞くことができました。
家には石板を用いた自作の記念碑がありました。

それにしても、ルカイ族の言葉はとても複雑で難しいです・・・。
ルカイ族の集落では、カタカナを用いた表記が今もわずかながら見られるのですが、
実際の発音とカタカナ表記が一致していないことが多々あります。
ルカイの人々特有のカタカナ表記の法則があるようです。これもまた、興味が尽きないところです。

ルカイ族,台湾原住民,高砂族,片倉佳史


2016年8月14日(日曜日)

2016年8月20日、台南で講演をします

総督府,総統府,片倉佳史,講演,台南

【講演のお知らせ】

8月20日、台南の国立成功大学で講演をします。

台湾日本学生会議さんのお招きで、8月20日(土)13時30分から講演をします。
テーマは「取材者の目で見た台南〜考えてみたい台湾と日本の歴史」。

すでに100名近い申込者がいるそうなので、お早めにお越しください。
場所は国立成功大学成杏キャンパスの醫工系館5734教室です。入場は無料です。

お問い合わせ・お申し込みは以下、担当の呉さんまでお願いします。
tjscncku.2016@gmail.com

チェブラーシカ,ちぇぶ,チェブ,cheb


2016年、新日本プロレス台湾大会は10月15日

カテゴリー: - katakura @ 09時34分02秒

新日本プロレス台湾大会。

ついにリリースされました!10月15日(土)の19時から。
国立台湾大学体育館で盛り上がりましょう!

新日本プロレス,台北,管林,真壁,棚橋


2016年8月13日(土曜日)

張栄発さんの追悼記事(ウェッジ)

張栄発,ウェッジ,片倉佳史,張榮發,エバー,長栄

【拙著・拙稿】

東海道新幹線のグリーン車で見られる雑誌『ウェッジ』の記事は好評のようで、
何人もの方からメッセージをいただきました(書店や駅の売店でも購入は可能です)。

エバーグリーン(長栄)グループの故張栄発総裁についての追悼記事ですが、
台湾について学んでいく上でぜひとも考えたい台湾人生来の気質というものを感じさせてくれた人物でした。

故張栄発総裁と言えば、
東日本大震災の時、10億円という巨額の義捐金を送ってくださった方ですが、
その際の様子や秘話も紹介しています。

http://wedge.ismedia.jp/category/wedge
ウェッジさんの公式サイト(購入もできます)

ウェッジは私も国内移動時にはいつも手にとっていましたが、
残念ながら、8月は帰国予定を入れなかったので、
自分の記事を車内で手にとることはできませんでした・・・

ウェッジ,片倉佳史,張栄発,エバー,長栄


【講演報告】 台北日本工商会例会 2016年8月5日

講演報告

8月5日に台北市日本工商会の例会講演をさせていただきました。
テーマは「新政権を迎えた台湾と日本統治時代の歴史建築」。
歴史建築の保存事例やリノベーション・レストラン、台湾人の歴史観などに触れてみました。

こういったテーマでお話しできるのは久しぶりでした。

工商会例会でお話をするのは2006年以来、なんと10年ぶりでした。

工商会,台北日本人会,講演,例会,片倉佳史
画像提供は山本幸男さん


2016年8月12日(金曜日)

東沙島の石碑

東沙島(プラタス島)の石碑。
とにかく海の青さに圧倒されました。

台湾政府が実効統治する島です。
2008年撮影。

東沙,プラタス,台湾,南シナ海


2016年8月11日(木曜日)

台湾の街角から〜東北海岸の奇岩を訪ねる

片倉佳史,光華,台湾,基隆


2016年8月10日(水曜日)

豊年祭を訪ねました

アミ族,花蓮,台湾,原住民,豊年祭

花蓮取材に行ってきました。

パンツァー(北部アミ族・南勢アミ族)のチケプ集落の豊年祭の様子です。

一般的にはアミ族と呼ばれますが、花蓮周辺の人々は自らをパンツァーと称しており、
意識の上でもはっきりとした独自性をもっているので、パンツァー族と記します。

さすがは母系社会、おばさまたちが実にいきいきしていました。

伝統的な民族衣装と携帯電話、現代台湾が垣間見えます(笑)

アミ族,パンツァー,豊年祭,花蓮


2016年8月9日(火曜日)

【拙著・拙稿】 『歴史通』の巻頭特集

【拙著・拙稿】 

現在発売中の雑誌『歴史通』(ワック出版)。
巻頭カラーで日本統治時代の台湾の姿を18ページで紹介しています。
拙著『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年』(祥伝社)はおかげさまで順調に増刷を重ねていますが、
その中でも意義のあるカットを選び、同時に、前著では掲載しなかった古写真を多めに入れてみました。

また、数々の台湾本を手がけておられる翻訳家・天野健太郎さんとの対談記事があります。
こちらではちょっぴり深い台湾の魅力と、その意味合いについて語り合っています。

http://web-wac.co.jp/magazine/rekishi/
公式ウェブサイトはこちら

ご興味を感じていただける方、どうぞお手にとっていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

歴史通,ワック,片倉佳史,天野健太郎,台北,古写真,絵はがき


2016年8月8日(月曜日)

電子書籍版・『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年』(祥伝社)


2016年8月7日(日曜日)

サキザヤ(サキラヤ)族の頭目一家


2016年8月6日(土曜日)

柳ヶ瀬ブルースの台湾語版(唄・葉啓田)

柳ヶ瀬ブルースの台湾語版(唄・葉啓田)

https://www.youtube.com/watch?v=EVK_4EVa-Xw&list=PLs9JFUR5tss8AHdhax35doeaWFUayBHkR&index=188


2016年8月4日(木曜日)

喝采(ちあきなおみ)の台湾語版

魅惑の台湾語歌謡世界。

『傷心的車站』。
ちあきなおみの『喝采』の台湾語バージョンです(唄・黄乙怜)。
懐かしさ満点の集集線の風景が楽しめます。

https://www.youtube.com/watch?v=eq4NeoOnMN4&list=PLs9JFUR5tss8AHdhax35doeaWFUayBHkR&index=11


2016年8月1日(月曜日)

台東でカキ氷

台東市にある阿憲冰店。
台北ではトッピングは3〜4種なのですが、
地方都市では6種類ということが少なくありません。


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