ラーメンには欠かせない存在のメンマ。
その製造工場を訪問しました。
嘉義県の大埔にある「坪林果菜生産合作社」にお邪魔しました。
作業場に着いて驚いたのは、何といってもその独特な匂い。
いい香りなのですが、かなりのものでした。
巨大なポリバケツを用い、タケノコを発酵させている作業中でした。
このポリバケツも一見の価値ありです。
メンマに用いられる竹は香りや味が良い麻竹(マチク)です。
オーナーの林麗真さんによれば、
海抜600メートルあたりの中海抜に生えている竹は
繊維がきめ細かく、質が良いとのこと。
この一帯では7月中旬から9月末にかけて、
タケノコの収穫が行なわれます。
この時期は毎朝作業場にタケノコが運ばれてくるそうです。
タケノコはまず等級別に分類され、
煮てから空気や水に触れないよう、しっかりと密封します。
そして、1週間くらいすると、発酵が始まるそうです。
発酵後はタケノコを手で裂き、塩を加えます。
とにかくすごい迫力でした
その後、日本向けに出荷する分は5日間ほど日干しします。
日本人はシャキシャキとした食感を好みますが、
台湾の人たちはどちらかと言えばしっとりとした食感を好みます。
そのため、台湾向けのものは日干しをせず、
日本用のは凸凹の地面の上に置いて、水分を流し出します。
日干ししたタケノコは香りもよくなり、色も濃くなります。
ちなみに、日干ししないで軟らかい状態のままでは、
重さの問題もあって、輸出には向かないのだそうです。
同じ、台湾産であっても、台湾向けと日本向けでは
それなりに異なる味わいになっているというは興味深いところですね。
白板には、「絲」、「片」、「角」という文字が書かれています。
これは台湾用のメンマの注文表です。
調理用方法によって、タケノコの用いる状態が異なります。
「絲」は細切りにした状態で、豚肉と一緒に炒めるのに用います。
「片」はスライスしたもので、タケノコの炒めやスープに用います。
「角」は細かく四角形にカットしたもので、発酵させないで、肉まんの中に入れます。
手作業で丁寧に剥いていきます
余談ながら、日本向けのメンマは
台湾ではあまり必要とされないタケノコの尾の部分(底の部分)を使うとのことです。
私たちが取材をした工場は1990年からメンマの製造を始めたとのこと。
かつては台湾産が圧倒的なシェアを誇っていましたが、
現在、日本で食されているメンマは中国産が増えてしまったとのこと。
大埔のメンマの加工場も減ってしまいましたが、今もなお、評価は高く、
ファンは少なくありません。
皆さんもぜひ、台湾産のメンマを味わってみてください。