台湾神社鎮座記念碑を訪問
台北郊外に残る台湾神社の鎮座記念碑。
昨日、友人から教えられた情報をもとに、台北郊外の新北市林口・竹林山觀音寺に行ってきました。
ここの廃物置き場に日本統治時代の石碑が残っています。
最初に駐車場脇の一角にうち捨てられた石燈籠を確認。
分解されてはいますが、明らかに日本式の燈籠です。
中には刻まれた文字の中に「昭和」とあるものもありました。
ただし、全体像は掴みにくく、今後の調査を要します。
次に、台湾神社の鎮座記念碑を探します。
この石碑は神社遺跡の研究をしておられる金子展也氏の論考の中で記されていましたが、
なかなか時間を得られず、訪れることができませんでした。
また、8月29日に中国時報(電子版)にも、この石碑についての記事が出ました。
これについては何人かの友人から連絡をもらっていました。
そして、このたび友人の古庭維さんにお願いし、連れていっていただきました。
石碑は社殿後方の廃材置き場にありました。
この廟は敷地が非常に広く、全く検討がつかなかったのですが、
あまり苦労をせずにその場所を見つけられました。
神社遺跡や石碑など、日本統治時代の遺構を探し歩く際、
何か惹きつけられる「力」を感じることは少なくありません。
石碑には「官弊大社 台湾神社鎮座紀念碑」とあり、
後方には「明治三十四年十月二十七日臺北衆紳民建之」とあります。
うち捨てられてはいるものの、保存状態は良好です。
それだけ忘れ去られていたということで、ちょっぴり淋しくなりますが・・
なお、この寺院は戦時中、皇民化運動に連動した形で総督府が行なった伝統宗教への弾圧を受けたという過去があります。
信仰を国家神道に一本化するべく、ここに祀られていた十八手觀音像を焼きうつ計画などを押し付けられたそうです(未遂に終わります)。
こういった宗教弾圧は戦時中、特に新竹州と台南州で数多く行なわれました。
今後、この石碑がどのような扱いを受けていくのか、気になるところです。
情報提供をしてくれたジョエルさん、CHOUさん、古庭維さん、ありがとうございました。
それにしてもすごい大雨でした・・・
出自不明の狛犬(獅子)も一対残っています。
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