台北の下町に花開く版画アート・「MB more(岩筆模)」
【片倉真理の取材メモから】
台北の下町に花開く版画アート「MB more(岩筆模)」
MRT中山駅近くに位置する「赤峰街」。ここは最近、若手アーティストのショップやしゃれたカフェなどが増え、注目を集めている。
ほんの5年ほど前までは金物屋や部品工場などが集まり、機械油の匂いが充満していたが、今ではアート・エリアとして親しまれつつある。
その一角にこの店はある。窓枠が水色のペンキで塗られ、かわいらしい雰囲気。掲げられた看板には「您為什麽而活?」と記されている。
訳すと、「何のために生きているの?」という意味。ちょっぴり哲学的なひと言に思わず足を止めてしまう。
ここは台湾の版画アートを扱っている。経営するのは国立台北芸術大学で教鞭を執る版画家の林仁信さん。
店では若手アーティストたちの作品が並ぶ。
台湾特有の野生動物をモチーフにしたものや「注音符号」と呼ばれる発音表記をデザイン化したハガキやカードなどがある。
ポップで明るい色調のデザインは眺めているだけでも楽しい。
林さんはこうした版画作品を通して台湾の多様な文化を世界に発信していきたいと願っている。
林さんと話が弾む中で気になっていた標語について尋ねてみた。
「2014年3月、台湾では大規模な学生運動が起きました。これを機に台湾の社会は少しずつ変化を始めました。
これまで多くの人たちが目先の利益やお金儲けのために生きていましたが、人生はそれだけが目的ではないということに気づいたのです。
芸術は難しいものではなく、世の中を変えていく大きなパワーと影響力を持っています。
自分は版画アートを通して台湾の魅力を伝え、社会を変えていきたいと思っています」とのこと。
ここ「MB More」をはじめ、赤峰街には郷土への思いを熱く抱くオーナーが少なくない。
そうした気風を感じつつ、散策を楽しんでみてはいかが?
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2016年版のカレンダーが出ています
MB more(岩筆模)
台北市大同區赤峰街32-1号
02-2558-3395
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