台湾で守られる日本人納骨堂・屏東県廣修禅寺
【台湾で守られる日本人納骨堂】
昨日、台湾南部、屏東県の高樹を訪ねました。
廣修禅寺(廣修寺)の名はほとんど知られていませんが、
ここには日本人物故者の遺骨が安置されています。
終戦後の混乱期、屏東市内に遺棄されていた遺骨が無数にあったと言います。
中には引き揚げ時に遺族が日本へ持ち帰ったものもありますが、
激しい混乱期、放置されたものも少なくなかったと言います。
それをある台湾の尼僧(故人)が拾い集め、供養してくれたものです。
周知のように、中華民国国民党政府は台湾総督府の公有財産はもちろん、
民間所有の物件も例外なく接収し、自らのものとしました。
屏東市にあった護国院(東本願寺)も接収され、
日本に関係したものはすべて破棄されたと言われています。
しかし、台湾の人々は故国へ帰れなかった遺骨を哀れに思っていました。
そんな思いを抱きながら、尼僧は一つ一つ拾っていったそうです。
現在、廣修禅寺の敷地内に納骨堂が建てられています。
建立は1975年。外観はちょっぴり金閣寺に似ています。
ここに安置されているのは一般人、軍人、無縁仏までさまざまですが、
毎年旧暦7月に盛大な供養が行なわれます。
かつては遺族や関係者が訪れることがあったと言いますが、
高齢化が進んでいるためか、最近はそういう方も年々少なくなっているそうです。
台湾で守られる日本人物故者の遺骨たち。
通常、納骨堂は閉まっているのですが、
訪問客があれば、開けますので声をかけてくださいとのことでした。
正直なところ、かなり交通の不便な場所ではあるのですが、
多くの方に知ってほしい空間です。
8月15日、終戦の日。
ここにもまた、時空を超えた「日台を繋ぐ空間」があります。
廣修禅寺
屏東県高樹郷東興村武尚路1-25号
※公共交通機関でのアクセスは難しいです・・・
取材協力・楊岱宗さん
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