片倉佳史の台湾便り 2016.6.9発行 第105号 発行部数1992部
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片倉佳史の台湾便り 2016.6.9発行 第105号 発行部数1992部
http://katakura.net/
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+‥目次‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
1.講演のお知らせ グローバルユースビューロー・カルチャーサロン
2.名古屋講演のお知らせ
3.建成会イベントのご報告
4.季刊『美好九州』のファンページ
【過去の原稿から】 幻の鉄道唱歌と明治の台湾
■その他の話題■
◆今後の講演予定◆ 2016年6月〜8月まで
■拙著・拙稿から■
○あれこれ○
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結構涼しかった日々は一変し、酷暑が続いている台北です。雨も多く、憂鬱な時期でもあります。おかげさまで、私は一昨年くらい前から講演の機会を数多くいただくようになり、日本と台湾を行ったり来たりしています。これはこれで楽しかったりもするのですが、本来なら腰を据えて滞在し、取材に勤しみたいと思っているものの、なかなか叶わぬ夢となっています・・・。
1.講演のお知らせ グローバルユースビューロー・カルチャーサロン
本日6月9日(木)の14時から、東京赤坂の旅行代理店グローバルユースビューローさんのサロンにて講演をさせていただきます。今回は台湾の魅力を幅広くご紹介し、旅のネタや文化の多様性、人々の暮らしなど、より楽しく台湾の旅を楽しむためのヒントをご提案します。平日の午後ではありますが、お時間のある方、どうぞお越しください。参加は無料です。満席にはなっていませんので、ご都合のよろしい方、どうぞお越しください。
テーマ 「懐かしさと温かさに溢れる台湾を語る」
日時:2016年6月9日(木) 14:00〜15:30
場所:グローバル東京本社内サロン
http://www.gyb.co.jp/reservation/map_tyo_new.html
費用:無料
お申し込み&お問合せ:お電話、Eメールにて以下まで。
TEL 03-3505-0055 Eメール gyb-inf@gyb.co.jp (担当:桃野さん・鶴さん)
2.名古屋講演のお知らせ
7月2日(土)、名古屋講演の詳細が確定しました。今回は食文化から見た台湾をお話ししたいと思っています。いろいろな切り口を複合的に混ぜるつもりですが、特に知られざる郷土料理や台湾の人々のグルメ魂、また、取材秘話のようなものをメインに据えようと思っています。中京圏の皆さん、お会いできることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2137
3.建成会イベントのご報告
前号でもお伝えした通り、5月25日の水曜日、台北市建成尋常小学校の卒業生たちが里帰りを果たしました。80年前の卒業生たちは在校生たちに温かく迎えられ、涙なしではいられない感動的な風景でした。この里帰りに合わせ、往時の様子についてお話をうかがうイベントも催されました。200名を超える方々にお集まりいただきました。故岡部茂さんのご遺志が形になって本当によかったです。
http://mainichi.jp/articles/20160608/ddm/007/070/164000c
毎日新聞の記事
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016052900065&g=soc
時事通信配信の記事
https://www.youtube.com/watch?v=CQMeFGG35IQ
動画で紹介しています
4.季刊『美好九州』のファンページ
台湾の皆さんに九州の魅力を紹介するフリーペーパー『美好九州』のファンページがオープンしました。私も記事を書かせていただいています。どうぞよろしくお願いいたします(本文は中国語になっています)。
https://www.facebook.com/meihaojapan.com.tw/?fref=ts
【過去の原稿から】 幻の鉄道唱歌と明治の台湾
「汽笛一声新橋を・・・」の歌い出しで知られる鉄道唱歌。その小気味良い旋律は東海道本線品川駅の発車メロディにもなっており、多くの人に親しまれている。大和田建樹によって編まれた鉄道唱歌全5集を筆頭に、日本鉄道史の黎明期、鉄道を題材とした唱歌は数多く作られていた。
周知のように、台湾は1895(明治28)年からの半世紀、日本の統治下にあった。1898(明治31)年に台湾総督府民政局長として台湾へ赴任し、後に東京市長を務めた後藤新平は、各種インフラ整備を進め、鉄道の建設にも熱心だった。基隆(きいるん)と高雄(たかお)を結ぶ大動脈、縦貫鉄道が全通したのは1908(明治41)年のことだった。
残念ながら、台湾には鉄道唱歌を名乗る曲はなかった。しかし、その代わりを担うものは存在した。それが『台湾周遊唱歌』である。鉄道に沿って台湾島を一周し、地理や歴史、特産品、名所旧跡などを取り上げながら、台湾の風土を歌い上げている。
台湾周遊唱歌は鉄道唱歌に遅れること、約十年。1910(明治43)年2月に発表されている。作曲を担当したのは高橋二三四(ふみよ)、作詞は宇井英(はなぶさ)という人物だった。高橋は台湾で最初に音楽教師となった人物で、数多くの唱歌を手がけている。この曲も新領土台湾の実情を内外に知らしめるべく、主に学校教育の場で唄われたようである。
注目したいのは、台湾周遊唱歌が全90章を数えていること。縦貫鉄道のほぼ全駅に曲が用意されており、その詳しさたるや、本家を上回っていると言っていい。ちなみに鉄道唱歌で最も曲数が多いのは、第4集の北陸編で72章である。
いくつかの歌詞を挙げてみよう。まず冒頭の章は、これから台湾島を一周する意気込みが感じられる歌詞である。
国光四海(こっこうしかい)に輝きて 東亜の空に 覇をなせる
我が日の本の 新領土 台湾島を さぐり見ん
続いて基隆から島都・台北に入る。
四面(しめん)は山に かこまれて 地勢京都に さも似たり
おのずからなる 城壁は げに萬世の かためなり
縦貫鉄道の開業式典が行なわれた台中では会場となった台中公園を唄う。
明治四十一年に はじめて成りし 鉄道の
全通式を 挙げたりし 此処(ここ)の公園 眺めよし
長らく台湾の首府だった古都・台南は鄭成功がテーマ。ちなみに開山神社は日本史上初の外地神社である。
鄭成功(ていせいこう)を祀りたる 延平王(えんぺいおう)の祠(やしろ)あり
領台以後に 改めて 開山(かいざん)神社と 称せらる
歌詞はいわゆる七五調となっており、鉄道唱歌のメロディでそのまま唄うことができる。旋律は独自のものが用意されていたが、ここはぜひ、口に慣れた鉄道唱歌のメロディで唄ってみてほしい。
一世紀以上も前に編まれた台湾版の鉄道唱歌。その内容は今も色あせてはいない。往時の様子に思いを馳せつつ、台湾の地を旅してみてはいかがだろうか。
雑誌『東京人』2010年5月号掲載
■その他の話題■
★嘉義神社を再訪
嘉義神社の跡地。拝殿と本殿も長らく残っていましたが、火災で焼失。それでも社務所や祭器庫、手水舎、狛犬などが残っています。特に斎館が残っているのは台湾でもここだけとなっています。祭器庫も原型を保っています。ここを初めて訪れたのは1996年。できれば本殿や拝殿が残っている時に訪れたかった・・
★近い過去の台湾関連書籍
1980年代から90年代前半に刊行された台湾関連書籍を買いあさっています。こういった本には今となっては知りえないネタが散らばっており、目が離せません。また、取材や情報収集にすごい制限がかかっているので、そのあたりも興味深いところです。
★台北市内にあった幻の飛行場
台北第三中学卒業の徳永基さんを訪問しました。中学時代、勤労奉仕で飛行場造りに駆り出されたそうですが、その場所は松山空港の南側に設けられた第二滑走路でした。現在も民生東路や健康路のあたりに飛行場跡が区画になって残っています。戦後は空軍関係の外省人集落になっていました。昭和20年の米軍作成地図にも建設中の滑走路が載っています。
◆今後の講演予定◆ 2016年6月〜8月まで
6月9日 グローバルユースビューローカルチャーサロン講演(東京都港区)
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2131
6月10日 友愛会・張文芳さんを囲むイベント(東京都足立区東京未来大学)
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2145
6月14日 愛知大学現代中国学部(台北)
6月21日 愛知大学現代中国学部(台北)
7月2日 栄中日カルチャーセンター(名古屋)「食文化から見る台湾の魅力」
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_168246.html
7月3日 一般財団法人台湾協会主催講演(大阪)
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2130
7月6日 播磨国際協議会「台湾を知る、台湾を学ぶ〜親しき隣国の素顔と現地事情〜」
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2149
8月5日 日本工商会講演(台北)予定
8月20日 台湾日本学生会議講演(台南)
8月24日前後 大阪予定
★詳しくは台湾特捜百貨店 http://katakura.net/ をご覧ください。
■拙著・拙稿から■
★日本航空機内誌『SKYWARD』6月号に片倉真理が台南市玉井のマンゴーについて書いています。JALご利用の方、どうぞご覧ください。
★『な〜るほどザ台湾』5月号では「台北の歴史建築を訪ねる〜学校建築編」を書かせていただきました。
★経済誌NNAの隔週連載「片倉佳史の台湾雑感」。5月は「嘉南大シュウの父・八田技師が理想としたもの」、「絶品の鳳梨(パイナップル)を味わう」を書きました。八田技師がロータリークラブに入会した際のスピーチ原稿は貴重なので、以下にアップします。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2126
★エバー航空(長栄航空)の機内誌5月号に片倉真理が伝統建築を用いた個性派民宿について記事を書いています。ご搭乗の機会がある方、どうぞご覧ください。
○あれこれ○
★ カメラを新調する。4K動画から画像を切り取れるというスグレモノ。撮影の概念そのものが変わってしまいそう ☆ 錦糸町での講演はおかげさまで超満員。サアロア族の伝説についてお話しできたのは自分にとっても貴重な機会。こういったネタをお話しできた場に改めて感謝! ☆ 台湾文化センターの朱文清所長を訪ねる。久しぶりだったこともあり、たっぷり二時間盛り上がる ☆ 新京成のピンク色の電車。なんであのカラーリングを選んだのだろう・・・ ☆ 著作の電子書籍化についてのやり取り。刊行からどのくらいしてから出すのが効果的なのか、なかなかタイミングがわからない ☆ 台湾のパイナップル農場。夜の涼しさをたっぷり吸った早朝のパイナップルはひんやりとしていて絶品だった ☆ 小湊鉄道の里山トロッコ。蒸気機関車はともかく上りの推進運転はなんだか阿里山鉄道みたいな雰囲気だった ☆ 多忙ゆえペースが鈍ってしまっている新刊。おおいに焦りつつ、執筆に勤しむ・・・★
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