1920(大正9)年の台湾詳細年表
1920(大正9)年の台湾年表
1月
7日 獣医病理学者・市川厚一が来台。台湾の畜産視察のため来台。山極勝三郎(やまぎわかつさぶろう)とともに世界初の人工癌発生に成功した人物。
11日 東京で政治改革団体「新民会」が結成される。
14日 台北記者倶楽部が設立される。
14日 嘉義(かぎ)庁の西螺(せいら)で大火。
21日 柳生一義が逝去。台湾銀行元頭取。
2月
22日 潮州線が潮州(ちょうしゅう)まで順伸される。
3月
・総督府警務局に警察飛行班が設置される。
4月
3日 台北橋の開通式が開かれる。
8日 本島人巡査を初採用。606名応募の中、31名が採用される。
16日 台北市古亭(こてい)の陸軍飛行場にて田健治郎総督臨席のもと台湾陸軍警察飛行場の創業式。記念飛行が行なわれる。
17日 田健治郎総督が東部視察に出る。
20日 台湾炭業株式会社が設立される。
26日 田健治郎総督の台湾東部視察の中、紅頭嶼(現称・蘭嶼)に寄る。
5月
7日 阿里山鉄道で転覆事故。
15日 田健治郎総督の阿里山・高雄・澎湖(ぼうこ)視察。この日、阿里山鉄道に乗車。阿里山視察の後、高雄から澎湖を往復、帰路は台南、彰化(しょうか)、鹿港(ろっこう)に寄り、台北に戻る。
16日 警察飛行班が蕃界偵察飛行。
31日 田健治郎総督が基隆(きいるん)を視察。
31日 台湾総督府鉄道部の庁舎が落成。
6月
5日 台湾全域を地震が襲う。死者24名、全壊家屋118棟。
7月
12日 基隆駅付近で火災。
16日 新民会が雑誌『台湾青年』を創刊。
27日 地方制度大改正。台北、新竹、台中、台南、高雄の5州と台東、花蓮港の2庁、そして、台北、台中、台南の3市、47郡、155庄の設置が発表。
27日 淡水線士林駅で列車衝突事故。
28日 台湾日日新報紙上で台湾南部に設置される州の名称が「高雄」と発表され、州庁所在地も高雄となる(旧名は打狗)。
8月
8日 中南部で集中豪雨。
10日 地方制度改正に伴って全島で地名改正。
25日 基隆築港第三期工事終了。
30日 木村謹吾が設立した木村盲唖教育所に学校設立許可が下りる。私立台北盲唖学校。
30日 官佃渓埤圳組合が設立される。翌年に嘉南大圳組合へと改称。
9月
1日 台北、台中、高雄で市役所開庁式が開かれる。
3日 全島を暴風雨が襲う。
18日 サラマオ事件。台中州のタイヤル族サラマオ蕃が警察を襲撃。鎮圧に霧社一帯のタイヤル族を動員。マヘボ社頭目モーナ・ルダオも抗日蜂起を図ったが、事前に発覚。「味方蕃」としてサラマオ討伐に動員させられる。
10月
1日 台北、台中、台南に市制が施行される。
1日 第一回国勢調査が実施される。総人口は365万5308名(軍人を含み、原住民族を含まず)。
1日 台湾各地で地名改正。打狗→高雄、錫口→松山など。三文字の地名が二文字化される。
14日 台湾総督官邸の敷地内に木造の日本家屋を増築。久爾宮邦彦王(くにのみやくによしおう)の渡台を受け、田総督が指示。総督家族は木造家屋に移り、本館を宿泊所とした。
17日 飛行家・謝文達が台中で訪問飛行。本島人による初めての飛行。
17日 台北市でコレラ感染者が確認され、生鮮食品の行商が禁止される。
20日 久爾宮邦彦王一行が基隆港に到着。台北、台中、嘉義、台南、高雄などを視察し、11月1日に台湾を離れる。
11月
1日 私立台北盲唖学校が授業を開始。
21日 屏東(へいとう)飛行場が開港。警察飛行班による式典が開かれる。
12月
15日 モルヒネ・コカインの取締規則が公布。
24日 海岸線の台中〜清水(きよみず)間の試運転が行なわれる。
27日 基隆で大火。