李久惟(ジョー・リー)著 『本当は語学が得意な日本人』
15カ国語をマスターしているという李久惟(ジョー・リー)さんの新刊。
『本当は語学が得意な日本人』 (フォレスト2545新書)を読ませていただきました。
語学本ではあるものの、いわゆる学習書ではなく、
語学習得理論や李さん自身の 生い立ち・体験が語られていて楽しく読める一冊です。
確かに、日本人は勝手に「自分たちは語学下手な民族」と考えていますが、
ジョー・リーさんの言うように、蘭学に関わった人々や、下関条約によって日本の新領土となったばかりの頃の台湾に関わった人々を考えると、
必ずしも語学音痴とは言えないでしょう。
ジョー・リーさんは台湾南部の高雄市出身。
日本統治時代に生まれ育ち、日本語を常用していたお祖父様の思い出や、
ジョー・リーさんが敬愛してやまない八田與一や後藤新平のエピソードなども出てきます。
また、「音素」に注目して世界言語をとらえていくという発想はとても興味深かったです。
「音素」とは、たとえばアルファベットの子音、母音の1つ1つを指し、
これ以上分けることができない、音の最小単位。
そこを凝視していくと、世界の各言語を跨ぐような共通性が見られ、そのいくつかの事例を本書で挙げています。
この部分、語学にかかわりをもっている方なら、特に引き込まれると思います。
なお、語学習得にとって大事なポイントは以下の通りだそうです。
詳しくは本を手にとって読んでみてください。
1.障害除去(学習環境の整備と改善)
2.目的意識(目標設定や理想のイメージ・計画)
3.強い意志をもつ
4.学ぶコツ・方法をしっかり見極める
5.継続と反覆
6.実践(経験の蓄積)
7.何よりも、楽しむこと
新書サイズということもあり、ハンディですし、
文章のタッチも軽妙で気軽に読むことができる一冊です。
ぜひご一読をおすすめします。
本当は語学が得意な日本人-フォレスト2545新書-李久惟(amazonのページ)
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